沖縄観光の新しいトレンドとして注目されているのが、那覇市に本社を構えるメリットトレーディングの「一日游（イーズヨー）」です。このプランは、特に中国からの観光客に人気があり、同社の独自の取り組みが沖縄観光の新しい形を作り出しています。
「一日游」とは、沖縄を1日で満喫できる観光プランです。このツアーは中国語ガイド付きで、外国人観光客にとって大変利用しやすく、観光地の魅力をじっくりと堪能できます。2014年にこのプランを開始した当初、参加者数は年間4千人でしたが、2017年にはなんと8倍となる3万2千人に急増しました。この成長は、沖縄観光の魅力を再発見した証とも言えます。
特に、**中国のインターネット最大手「携程旅行網（シートリップ）」**での人気が後押しとなり、今や最も売れている沖縄の1日観光プランとして、広く認知されています。今年もさらに参加者が増えることが予想されています。
参加者の多くは日本で運転ができない外国人観光客
「一日游」の参加者の約7割は中国からの観光客で、残りは台湾、香港、ベトナムなど、東南アジアからの観光客が中心です。日本では運転免許が認められていないこれらの観光客にとって、「一日游」は特に便利で安全な観光プランとなっています。
メリットトレーディングの宍戸喜夫会長は、沖縄観光の現状を「沖縄観光は団体旅行から、個人手配の海外旅行（FIT）への移行が進んでいるが、その受け入れ体制が十分に整備されていない」と指摘しています。この背景にあるのは、旅行者のニーズの多様化です。
白タク問題を解決するために生まれた「一日游」
もともと沖縄は、海外からの団体旅行客を受け入れることが主流でしたが、フリータイムの利用方法が不明確なため、「白タク」などの無許可営業が横行することが問題になっていました。そこで、メリットトレーディングは、安全で確実な観光プランを提供するために「一日游」をスタートさせたのです。
プラン開始当初は認知度が低く、集客に苦しむこともありましたが、王子龍専務は「最初は赤字だったが、継続することで徐々に集客に成功した」と振り返ります。今では毎日、確実に観光客を迎えることができ、沖縄観光の新しいスタンダードを築いています。
今後の展開 – 沖縄の魅力をもっと深く体験
現在、沖縄北部や南部を巡る「一日游」には、4つの異なるコースが提供されています。その内容は、沖縄の自然や観光名所を訪れるだけでなく、地元の文化や歴史を学びながら楽しめるものです。王子龍専務は「今後は英語版プランや、沖縄の伝統文化を体験できるコースも追加する予定です」と語り、さらに多くの観光客に沖縄の魅力を伝えることを目指しています。
例えば、今後追加予定の「伝統文化体験コース」では、沖縄の伝統的な手作りの工芸品や、地元の文化行事に参加できるプランが含まれる予定です。これにより、観光客は単なる観光地巡りだけでなく、沖縄の深い文化に触れることができます。
安全で快適な沖縄観光の未来
メリットトレーディングの「一日游」は、安全かつ快適な沖縄観光の選択肢として、多くの外国人観光客に支持されています。今後もその取り組みは進化し続け、沖縄観光の新しい形をさらに広げていくことでしょう。
沖縄を訪れる際、どんな観光プランが最適か迷った際には、「一日游」を是非ご検討ください。沖縄の自然、文化、そして人々との触れ合いを、1日で余すことなく体験できる素晴らしい機会を提供します。
